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Socially responsible business からSocial Busiess

昨日開催された「九州ソーシャル・ビジネスフォーラム」で非常にユニークな企業に出会いました。それは、まるは油脂化学株式会社(福岡県久留米市)です。

この企業は1932年の設立された創業80年の企業で、植物性素材のみ(合成界面活性剤・合成着色料・酸化防止剤・保存料などは使用していない)の無添加石鹸の製造・販売を主力とした会社である。製造工程もこだわっており、それは古来からの製造方法である釜たき、自然乾燥の枠ねり製法を堅持している。その理由は肌にも優しく安全であると言うこと、天然素材で作っているので、環境破壊を一切しないと言うことです。このような事業形態はSocially Responsible BUsiness(SRB:社会的責任型ビジネス)とも言って良いと思います。このような概念は欧米では盛んに使われる概念です。この概念は社会的責任を果たしているビジネススタイルを言います。ここまでは多くの企業で見られることなので、すばらしいとは思いますが必ずしもイノベーティブではありません。

しかし、この企業のすごさは、ここでとどまりません。石鹸をベースとした自然塗料「ソープ・フィニッシュ」を開発しています。北欧では木製家具に使われ、木のぬくもりや質感をそのまま保てる塗料としてつかわれてきた伝統製法です。今回のイノベーションは従来なかった撥水製を付与することによって、湿気の多い日本に適用した塗料を開発したところにあります。当然自然素材から作られた最低限の防汚性、撥水性を備えた商品ですので、基本的に人間に害を与えないので、子供のいるご家庭にとっては有益な商品です。社長の思いとしては、全国の小学校で使ってほしいとのことでした。

つまりソーシャル・ビジネスと言ってよいビジネススタイルを獲得したわけです。

まるは油脂化学では、SRBからSBへという流れが確認できます。このように徹底して社会に配慮することが、結果としてイノベーションに繋がり、SRBからSBという流れができたと言えます。非常にユニークな事例です。一度ゆっくり社長の思いを聞いてみたいと思います。しかしながらプロモーションはちょっとと言う感じですね。

今回福岡に行ってみて、まだまだユニークな企業がたくさんあることを認識した1日でした。

# by n-ohmuro | 2012-05-27 20:32 | ソーシャル・ビジネス

企業のソーシャルビジネス

昨日からインタビューのため福岡に来ています。時間の空いた夜の時間帯で福岡の企業さんのソーシャルビジネス開発の相談を受けました。今回はBtoC企業で、消費者に近いところで、ビジネスを展開されています。結論から言えば多様な取り組みができるということです。業種を書くと、福岡ではすぐ企業名がわかってしまうので、ご容赦ください

具体的には、工場、店舗、物流、遊休地などで、それぞれ展開可能です。逆にやれることがありすぎて、順番を戦略的に決める必要がありそうです。今回の業態は初めてですが、大きな可能性を持っている業態だと思います。可能な範囲で福岡に通いたいと思います。

最近多くの多様な業態の企業さんから相談を受けますが、本当に伸びる可能性をそのたびに感じます。逆に言えば、資源を十分に活用されていないということです。特に知識創造を止めているように思います。
一方で、多くの企業は、ソーシャルビジネスに資源を動員する正当性を内部的に獲得していない、ということも現実です。正当性を確保するためにどのようにすれば良いのか、大きな研究課題です。今回の場合は社長の発想になかなか社員が付いてこれないということです。社員の理解がないと、結局のところイノベーションにつながらないので、重要です。これまでかかわった企業は逆に社長の理解がなかなか難しい場合があります。いずれにしろ、イノベーションにとって正当性が重要になります。

これから大阪の高島屋に寄ってlove&senseのフェアトレードショップに遊びに行きます。

# by n-ohmuro | 2012-05-27 10:28 | ソーシャル・ビジネス

6次産業の限界

昨日は久々に㈱サラダコスモ(岐阜県中津川市)を訪問して中田社長とお会いしてきました。メキシコからお帰りになったばかりということでしたが、相変わらずお元気の様子でした。

昨年度のチコリ村は25万人を超えており、コミュニティレストランも1億円を超え、アルゼンチン日系の支援も順調に推移し、地域の高齢者支援も100人を超えているようです。企業全体の売り上げも10年前の倍になっているということです。素晴らしい成果をあげられている。業界ではほぼトップとのことでした。その根底には、社会を変えるためにはそれなりの市場規模が必要との思いがおありのようです。たとえば安全安心な食べ物をつくり、我々の健康を維持しようと思えばオーガニック野菜の市場を10%くらい確保しなければならない、とのことでした。市場を中心の社会にあって、市場社会を変えるために市場を使う。まさにソーシャルビジネスそのものです。

ちこり村は建設以来5年が経過し、売り場も徐々に大きくなっています。つまり、6次産業を展開する企業といってもよいと思います。6次産業は農水も盛んに支援しています。しかし、6次産業は気をつけないと観光バスの立ち寄るお土産物屋さんになってしまうということです。つまり、いきなり観光バスで乗り付けて無理やりお土産を買わされる。あるいは店員は無理やり売っているような感官をもっているため、両社にとってうまくいかなくなる可能性をもっている。つまり、リピートしないシステムになる可能性があるということです。もくもくファームのようにプラスアルファーの価値をもった6次産業にする必要があるとのことでした。ちこり村では文化的側面を取り入れた6次産業にしていくとのことでした。

やはり市場のシステムあることを再認識した一日でした。

# by n-ohmuro | 2012-05-22 10:16 | ソーシャル・ビジネス

高校の統廃合で思うこと

今日の東京は快晴です。仕事の合間を縫って娘の中学校の体育祭に行ってきました。なんか子供の数が少ないなー、という感想です。

人口減少に伴って中小学校のみなず、高校の統廃合、大学の競争激化という流れができ始めました。この中で一番の問題は高校の統廃合です。滋賀県でも様々な議論がでており、夏までに本当に決着するのでしょうか? 先般も石川県の統廃合が話題になっていました。何が問題なのかというと、地域に子供がいなくなるということです。その理由は大都市圏のように通学可能な地域ならよいが、地方都市の場合には通学できず、学校のある地域でアパートを借りる必要があるということです。教育問題もそうですし、親の収入格差によっては高校に行けなくなります。さらなる問題は高校が廃止された地域に子供たちがいなくなるということです。さらに一度他の地域に移り住んだ子どもはほとんど戻らず、大都市圏の大学に行って、企業に就職するという流れがでてきます。これが地域衰退・過疎化のルートになっているということです。

少子化に伴って効率性を上げることも理解できますが、効率性という物差しだけで教育を測ってよいのでしょうか? いつも都道府県の政策には疑問を感じます。高校という形は大きい、小さないなど様々あってよいはずです。公立高校はこうゆうものだというと画一的に考える必要はないのでしょうか。とかく公平性の名のもとに画一的な高校を作りたがります。ゆえに、公共サービスの在り方を考えなければならない。たとえば福岡県の川崎町でアットマークラーニングと町役場のコラボレーションで、通信制高校を作りました。そこにはユニークで自分で考える生徒が多く誕生しています。市町村はもっと氾濫しましょう。国に反旗を翻すだけではなく、都道府県にも反旗を翻し、自ら地域を守りましょう。

# by n-ohmuro | 2012-05-19 13:22 | その他

企業のソーシャルビジネスの取り組み

昨日は企業の新人研修でソーシャルビジネスについて話す機会を頂きました。理工系出身が多いようなので、企業とは何か、企業と社会の相互関係、企業のおかれている状況、CSR、そしてソーシャルビジネスについてはなしをしました。この企業はソーシャルビジネスの開発プロジェクトを開始します。その一環として、若手の啓発活動をしたということです。しかし、新人研修でソーシャルビジネスについて話をさせてと言ったものの、まさかすぐやらしていただけるとは思っていませんでした。大きな企業のわりに柔軟で、レスポンスのよい企業ですね。

この講演の中で「社会に貢献したいと思いますか」と訪ねたところ、大半の方から手があがりました。今の若者は本当に素晴らしいですね。ソーシャルビジネスの開発プロジェクトは若者を中心に実施する方が良いと思います。もっとも重要な視点は、社内に翻訳者がいることです。例えば、大室の言葉を社内の言語翻訳してくれたり、社内の文化を考慮して翻訳してくれる人達のことです。このような存在なくして、ソーシャルビジネスの開発は難しいかもしれない。なんとか軌道に乗るように、粉骨砕身頑張ります!

# by n-ohmuro | 2012-05-17 19:24 | ソーシャル・ビジネス

障害者雇用について思うこと

今日は、京都中小企業同友会の障害者問題委員会の研修会に行ってきました。本当は原稿書きたかったなーと思ったりもしたのですが、自分の膝元の京都の状況を知らなければと言う思いが勝って、お邪魔してきました。感想としてはこんなにも多くの企業が障害者雇用に関心があるんだなということです。FBにも書いたのですが、障害者雇用が当たり前の社会が遠くではなく、意外と近いところにあるかもしれないと言うことです。その理由は、意外と関西は障害者雇用が進んでいないというイメージだったからです。今日は障害者雇用率20%を越える企業さんの講演だったのですが、体調を壊されたようで、お話が聞けなくて残念です。いずれにしろ、少しづつだと思いますが、前進すると言う感触をえました。

もうひとつ感じたことは、現在の多くの障害者雇用がSRB(socially responsible business)だということです。つまりソーシャル・ビジネスではないということです。その違いは、Business and Social innovationが欠落しているからです。もちろん、障害者雇用をすると言うことは多少の改善を行っていると思うので、ビジネスイノベーションは起きていると思います。しかし、イノベーションをねっらっていないということです。もっとはっきりさせると、障害者問題を解決するという意図、イノベーションを起こすという意図をもっていない。社会的責任の延長線上でしかやっていないというとことです。

しかしこれらは当たり前です。イノベーションを見ている企業さんなんてそんなにありません。次のステップとして、イノベーションを延長線上で障害者の雇用問題を考える企業をつくっていくことだと思います。

良い勉強になりました。明日も企業さんが研究室にSBのことについて相談にみえます。来週は福岡の調査の途中で、企業の社長さんとお話しすることとなりました。がんばって、イノベーションを働きがけます。

# by n-ohmuro | 2012-05-16 22:44 | CSR

研究したい!!

最近は現場のお手伝いが増えています。それはソーシャルビジネスへの関心が高まった結果だろうと考えられます。非常に嬉しいことですね。今週も企業での講演や企業が相談にいらっしゃいます。
一方で、現場での仕事が増えると、その反動として研究する時間が削れます。そこにジレンマがあります。
そこで若干時間の配分を変更したいと思います。それは研究に関係ない現場の仕事は基本的にお断りしようと思います。具体的にはソーシャルビジネスにかかわるご相談についてはアクションリサーチになるのでお引き受けします。ただし講演のみや会議のみはお断りします。
その理由は、時間の問題と共に、現場脳になれてしまうと、研究脳がうまく動かないからです。なぜ研究にこだわるのかと言えば、今はきちんとしたセオリーを構築する時です。それをやっておかないとNPOが出てきた時と一緒で、セオリーなしになんとなく現場だけになってしまい、他の事例を分析視点なしの紹介に終始してしまい、研究サイドからからのサポートができない状態になってしまう可能性があります。現状でNPOをうまく支援できていないひとつの理由がここにあります。
加えて、最近は英文の論文を書いているため、英文の論文ばかりを読んでいるのですが、結構研究が進展しています。そこには現場が学ぶべき点も多くあります。それらを読み込んで現場に伝えていかなければならないと感じています。そのような理由からしばらく、研究に時間を使います。

# by n-ohmuro | 2012-05-13 21:51 | その他

八百鮮(株):大阪市

昨日は久々に、SBの調査に、ゼミ生と一緒に出掛けてきました。八百鮮は京都産業大学のOB二人が中心となって起業したソーシャル・ベンチャーです。本学の卒業生であるということもあって非常に楽しみにしていました。今回インタビューにいって確信したことがあります。それは、ソーシャル・エンタープライズやソーシャル・ベンチャーという言葉より、ソーシャル・ビジネスの方が適切だなということです。その理由は、社会的課題の解決を目標としながらも、その前提としてビジネスの利益の確保を見据えて、その次に社会的課題を見ているということです。そのようなことからソーシャル・ビジネスという表現の方がよいなと感じました。

この企業は、もともと大阪の企業や福祉作業所が共同で設置したネクストステージLLCの中で産声を上げた企業です。二人の経営者はもともヤマト運輸のファンダーの小倉さんに憧れ、障碍者雇用できる企業をつくりたいという思いでスタートしています。その中で八百屋だったら自分にもできると考え、名古屋にあるスーパーで修業した後、企業に至る。その過程では大学の恩師、企業の経営者などから様々な影響を受け、昨年独立していきます。彼らは障碍者雇用を目的としていたが、最初は企業として黒字を出すビジネスモデルを模索していたとのことでした。結果としては、支援を頂いた企業家からの支援の条件として最初から障碍者を雇用するということになっただけのようです。しかし、結果として最初から社会的課題の解決に貢献するビジネスに取り組むビジネスを実行したが、やはり苦労も多かったようです。3月には2号店もオープンし着実に推移しています。今後も非常に楽しみです

同行した学生にも良い影響があったように思います。社長の市原さんは29歳ですが、自分が感動する人生を送りたいが、どんなに頑張っても感動しない。しかし、他人が感動している姿を見ると自分も感動する。だから社会に貢献する企業をつくりたかった。つまり、生き方と働き方が一致することが大切であるということを学生に話してくれました。大企業に行くことだけが人生ではない。改めて感じました。






# by n-ohmuro | 2012-05-10 13:25 | ソーシャル・ビジネス

NPOの存在理由

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしょうか。大学は今日も授業があります。いつものことながら、休み中も仕事しています(笑)。特に今年は英語の論文と格闘中です。その内容はソーシャルビジネスの台頭とNPOの再生です。

これまで社会的課題の解決と言えば、NPOの専売特許でした。しかし、2000年代に入りソーシャルベンチャーが台頭し、さらに企業によるソーシャルビジネスへの参入が増加しています。NPOは大競争環境におかれています。この時、社会的課題の本質とは何か、ということが問題になります。組織形態にとらわれていると、本質が見えません。世界的に、多くの研究者は社会的価値の創造と継続、という議論に終始する傾向があります。しかし、社会的価値の創造の本質とは何でしょうか?それは社会的課題の解決です。もう少し説明すれば、社会的価値を人々に提示し、価値観や制度・習慣を返し、根本的に課題の解決を図ります。つまりステイクホルダーの行動変容という一点に絞られます。NPOやソーシャルベンチャーがイベントなどで啓発活動、商品やサービスを提供する事は、そのプロセスに過ぎません。あまりに社会的課題の当事者に焦点を当て過ぎると、本質を失う可能性があります。特に日本のNPOはこの点に問題を持っています。

このような状況に合って、NPOは市場と非市場の境界領域、あるいは非市場領域に存在理由を見いだす必要があるでしょう。ただし、市場メカニズムの活用が必須です。このような考えるならば、NPOの存在理由を再考する時がきていると考えられます。
という内容の論文です。

まだ3割ぐらいしかかけていません。締め切りは5月末です。学会発表後、学会紙に投稿予定です。

よい休日をお過ごしください!

# by n-ohmuro | 2012-04-30 07:51 | その他

メーカーの技術とソーシャル・ビジネスとの関係

最近更新頻度が低いというご指摘に答え、2日連続で更新してみました。ご一読いただけるとありがたいです。

ソフトバンクが、社内のソーシャル・ビジネスコンペを開催したところ、200人300件の応募があったとのことでした。非常にユニークな取り組みですね。大企業の粛々と動き始めています。

本日は、とあるメーカの幹部の方と食事をさせていただきました。その議論の中で改めて感じたことは、企業の方が考えていない技術の用途から社会的課題に貢献することができると言うことです。ただし、そこにはイノベーションが必要になります。具体的には次のように考えてみてください。まず、扇子を手に持って、180℃扇型になるように開いてください。その扇子の中心に企業の技術を位置づけて、その中心からみている市場は、社風や企業文化の制約からたぶん10℃から30℃の範囲ぐらいでしょうか(これは根拠がありません。感覚的なものです)。しかし残余150℃の市場には手をつけていません。もっと極端に離すと、扇の左側が利益で、右側が社会貢献だとします。ほとんどの企業は左サイドしか見ていないと言うことになりませんか。極端に180℃右側を向くと、そこにはたくさんの可能性があることに気付きます。これが企業イノベーションに対するSBの効用です。今日も来ような視点から可能性をお話しました。

しかしながら、上記の視点は市場と既存の技術の関係にほかなりません。次に知識創造に入っていきます。この段階ではステイクホルダーを引き付けるような資源動員も必要になります。しかしながらこの段階も一筋縄ではうまくいきません。しかも知識創造が終わると、本格的に資源動員を行ってビジネスモデルを構築し、市場に打って出るわけです。

このあたりの詳しいロジックは論文にまとめていますので、発表したらご報告します。

# by n-ohmuro | 2012-04-25 23:21 | ソーシャル・ビジネス
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ソーシャル・イノベーションに関わる日々の出来事を綴る


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